The Shining(シャイニング)/原作とは別物だけど、演技と映像美が素晴らしい映画:ネタバレなし感想

映画

かの有名なホラー作品。急にキング作品が気になりだし、スティーヴン・キングのファンである我が父母にキング作品で1番怖いのはどれなのかを尋ねたところ「シャイニング」だという。ので、まず映画を観る…

30年以上も前に公開された映画ですがファンは今も多く、続編「ドクター・スリープ」も公開されたからかネットにはたくさんの考察が溢れております。

ざくっとあらすじ

【コロラド州のロッキー山上にあるオーバールック・ホテル
小説家志望であるジャック・トランスが、雪が深く積もり冬の間は閉鎖されるこのホテル管理人としての職を手に入れた

面接時、ホテル支配人アルマンから「以前の管理人が斧で家族を殺した上、自殺をした」と聞かされたが「自分はそんなことにはならない」と、妻ウェンディと一人息子のダニーを連れてオーバールックに春まで住み込むことに決まった。

不思議な力”シャイニング”を持つダニーをはじめ、家族は様々な現象をホテルで体験することになる。】

放送期間

・映画
1980年12月13日公開。

・監督
スタンリー・キューブリック

・キャスト
ジャック・トランス / ジャック・ニコルソン
ウェンディ・トランス / シェリー・デュヴァル
ダニー・トランス / ダニー・ロイド
ディック・ハロラン / スキャットマン・クローザース

・原作
1977年1月28日発行。著:スティーヴン・キング

個人的感想

緊張が解けない

緊張感が半端じゃないです。怖いというより、怖いは怖いのですが心霊的な怖さとは違う怖さでした。

ジャック・ニコルソン演じるジャック・トランスの怖さが賞賛されておりますが、本当に気が狂ってしまったかのように尋常じゃない見事な演技です。

シェリー・デュバル演じるウェンディの怖がり方も鬼気迫るものがありすぎてすごいです。包丁を持つ手が常に震えてるんですよ。

監督を務めたスタンリー・キューブリックはテイク数を重ねることで有名なのだそうですが、何度撮っても重ねられるテイク数に精神的に追い詰められてしまったのか…たった2秒のシーンに2週間を費やすような監督ですから。彼らの演技に動悸が止むことがありませんでした。

その場にいるような緊張感を味わえます。それに加えBGMも全部怖いし金属音のような高音が響いているような音も、何も起きないのに何か起きそうな、音だけでも恐怖倍増。

撮影裏話

ハロランが倒れるテイクもかなりの数を要したみたいです。ハロランを演じるスキャットマン・クローザースは当時で結構なお年を召していたために、ジャック・ニコルソンがキューブリックに「もうやめてあげてくれ」と頼んだんだそうな。

ダニーを演じるダニー・ロイドは当時6歳。怖がらせないようにホラー映画だとは伝えずに撮影をしたんだそうです。…十分怖いだろう。別々に撮影したんだとしても、雰囲気がもう怖いですよ。「レッドラムレッドラム」言いながら鏡に文字を書くし。

原作と映画は別物

映画は原作とはかなり内容が改変されているため、別物と思ったほうがいいです。なんて情報を見てきましたので、原作も読んでまいりました。

本当に全くの別物です。ものすごく端折られているし違うし。

映画は演出に凝った作りになっています。
開発されたばかりのステディカムを用いた撮影や、ところどころ綺麗に左右対称な映像など素晴らしいです。

原作のウェンディは金髪です。映画のウェンディは黒髪です。原作を読みながら頭では映画のキャストで再生されてしまうので、変な混乱が起きました。なんて、そんな細かい部分は”別物”とは違いますが、映画では語られていない”シャイニング”がどういったものなのか、父(ジャック)がどうしてあんなことになったのか、オーバールックとはなんなのか、原作では語られるので理解がしやすいです。

キングはキューブリック版のシャイニングが大嫌いだそうです。原作の内容を細かく映画に収めることは無理だとは思いますが、結末すらもおかしいです。

〆る

映画は映画で面白かったです。役者のリアリティ溢れすぎている演技や、映像美と演出はかなり高い評価を受けているほどです。

原作とかけはなしてしまえば楽しめます。

ドクター・スリープも公開されているので2本立て続けに観賞するのもいいかもしれません。

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