プレイヤーの選択により、マーフィーの性格や過去、エンディングまで変化する。オープンワールドシステムを採用、サイドクエストも用意されている。
作品・繋がり
サイレントヒル:ダウンプア
サイレントヒル ブック オブ メモリーズ
ストーリー
看守スーエルの手引きにより、シャワー室へ入るマーフィーは囚人ネイピアと対峙。逃げ惑うネイピアに殺意を剥き出しにして殴り続けるマーフィー。
牢屋で目を覚ますマーフィー。この日はウェイサイド刑務所へ移送される予定であり、移送バスに向かう。するとアン・マリー・カニンガムに呼び止められる。アンはマーフィーに敵意を持っているようだった。
ウェイサイド刑務所へ向かう移送バスの中で、マーフィーは他の囚人に「あの噂」は本当なのかと絡まれる。アンが囚人に注意をすると言い争いに発展。運転手が振り向き、移送バスは崖下へ転落してしまった。
マーフィーが気が付いた時、他に生存者の姿は見当たらなかった。自由の身となったマーフィーは、事故死とは思えない囚人の死体を発見する。
銃を向けるアンが現れた。マーフィーの身柄を拘束するために足場の悪い崖を通り詰め寄るが、バランスを崩してしまう。マーフィーはアンを助けるか助けないかの選択を迫られる。
マーフィーは錆びれたガソリンスタンドや建物を探索しつつ、倒れた車椅子を発見する。これ以降この車椅子は、マーフィーが訪れる様々な場所に現れる。
道路に出たマーフィーは郵便配達員ハワード・ブラックウッドと遭遇。街を出たいと言うマーフィーに、ハワードは辺りの道路は断絶していることとスカイトラムを目指せばいいことを伝える。
レストランに辿り着いたマーフィーはガス漏れしているキッチンを発見。マーフィーがレバーを回すと、ショートして炎上。すると、裏世界へと変貌。空間を削るクリーチャーから逃げ、キッチンに戻って来たマーフィー。キッチンには火事の跡はなく、マーフィーが出てきた扉もただの物置だった。
地下へ向かったマーフィーは、女性を殴りつける同じバスに乗っていた囚人を発見する。止めに入るマーフィーだが、囚人が殴りつけていたのはクリーチャーだった。囚人はクリーチャーに首を斬られて死亡した。
外へ脱出したマーフィーは、見つけた服に着替える。服には警官バッジが入っていた。
スカイトラムを見つけたマーフィーはそれに乗り込み、デビルズ・ピットに到着。降りた先でJP・セイターと名乗る男と遭遇。ここはかつて観光客で賑わっていたと語るセイターは、洞窟を抜けた先にヒルサイドへ向かう列車があることを伝える。
洞窟を通り鉱山を進むマーフィーは、JP・セイターが列車事故を起こし、8名の子どもが死亡。セイターが酒を飲んでいたという目撃情報もあったが、事故として処理をされたという新聞記事を見つける。
地上へ出たマーフィーは飛び降りようとしているセイターに遭遇。新聞記事は嘘だと言うセイターに、酔っていたセイターを目撃した者もいたとマーフィーは指摘。あなたにも人に言えない秘密があるだろうと言うセイターに、悪くない人間や子どもを殺したことはないと返すマーフィー。セイターが飛び降りるのを止めるか嘲るか、選択することになる。
ジェットコースターのような列車に乗り込み、ヒルサイド駅に辿り着いたマーフィーは生きていたアンに遭遇する。マーフィーは協力を提案するが、壁に手を付け背中を向けろと怒鳴るアン。銃を突きつけながらマーフィーの服から警官バッジを見つける。
どこでバッジを見つけたのかと怒鳴り、すぐに死ねばいいとマーフィーを罵倒するアン。しかしマーフィーに突きつけた銃の引き金を引くことができず、突然「ごめんなさい、お父さん」と言って座り込む。
アンに銃を向けられながら、さっさと行けと言われ立ち去るマーフィー。
鉱山を出たマーフィーは、ラジオからDJが自分に呼びかける声を聞く。
サイレントヒルに辿り着いたマーフィは、とある母親が我が子を手にかけた事件を調べたりする中で、パトカーを盗んだ男性の調査記録やチャーリー・ペンドルトンを探しているという手紙を見つける。
ハワードと再会したマーフィー。ハワードは怒っているアンに遭遇したようだ。そして自分の経験から、人があれだけ怒るのは「恨み」だとハワードは言う。
マーフィーはハワードにラジオ局の場所を尋ね、教えてもらった街で1番高いビルへ向かう。
その道中で自分の仮釈放書類を見つけたマーフィーは、かつての光景がフラッシュバック。
看守スーエルと密談しているマーフィーに、看守フランク・コールリッジが声をかける。スーエルは危険な男だと忠告し、仮釈放委員会の審査中であるマーフィーを心配する。パトカーを盗んで10時間のカーチェイスを繰り広げたのちに捕まったマーフィーに、何のためにそんなことをしたのかと問うフランク。マーフィーは現実から逃げたかったのかもしれないと、答えをはぐらかすのだった。
また、別の場所ではスーエルとの会話を思い出す。
マーフィーがネイピアと2人で会える機会を作り、マーフィーがネイピアを殺す。誰かに見つかる前にその後始末をスーエルがするが、これは貸しとして借りは返してもらうと言うスーエル。
ボビー・リックスが放送している部屋へ辿り着いたマーフィー。呼ばれたから来たと言うマーフィーに、ボビーはなんのことかさっぱりだと言う。何度もラジオからマーフィーを呼んでいたはずだが、話が全くかみ合わない。
大声を出すマーフィーに、2人とも見つかってしまうぞと言い小声で話し出すボビー。マリーナにボートを停めてあるが、鍵を盗まれてしまったようだ。ボビーが受話器を取り、受話器を戻すと「奴らが来る」と言う。その直後、銃を構えたアンが部屋に入ってくる。するとラジオ局はクリーチャーに襲撃されてしまった。
気が付くとクリーチャーもボビーもアンもいない。
マーフィーはボートを探すために非常口へ向かう。しかし裏世界へ変貌した世界を逃げ惑う中で、どこかへ連れて行かれるもう一人の自分の姿とブギーマンを目撃する。
様々な仕掛けをかいくぐり、下へ滑り落ちていき投げ出されたマーフィーは時計の針に掴まる。すると過去の光景がフラッシュバック。息子チャーリーと過ごした日々、しかし突然失われたもう二度と戻ってこない時間。
目を覚ましたマーフィーに、ハワードが一通の手紙を渡す。聖マリア修道院、マーフィーが幼少期を過ごした孤児院からの手紙だった。
孤児院に到着したマーフィーを修道女が迎える。お気の毒にと言い、扉を開く。マーフィーはなんのことか理解できないが、修道女は遺品を受け取ってほしいと言う。
修道院でチャーリーと似た少年と出会う。あの子がおじさんはブギーマンだと言っていた、と奥の扉を指差す少年。
少年から聞いた「ブギーマンを追い払ってくれる詩」を見つけたマーフィーは少年のもとに戻るが、少年の背後にブギーマンが現れる。マーフィーが詩を読み上げてもブギーマンは止まらず、少年を殺してしまった。そして過去の光景がフラッシュバックする。チャーリーを探しに湖へ来たマーフィーだが、集まっていた警官に止められる。警官を押しのけ湖に近づくと、引き揚げられる黒い袋。遠目からでも子どもの遺体であることは明らかだった。
少女が悲鳴を上げる。「殺したのね?」と言い、逃げ出してしまった。少女を追いかけるが、ブギーマンに行く手を阻まれる。ブギーマンが破壊した壁の穴から逃げ出したマーフィーは、やがて少女と車椅子に乗った怪物を発見。マーフィーが駆け寄るが床が抜け、闇の中に落下してしまう。
修道院の遺体安置所で目を覚ましたマーフィーは、修道女の言うことに混乱。
息子さんを迎えに来てくださって感謝しますと修道女は言うが、チャーリーが死んだのは何年も前である。目の前の遺体にかぶせてある布を外すと、ブギーマンが寝かされていた。これは息子じゃない化物だとマーフィーは言うが、まだ自分が何者かわからない?と修道女は言う。
マーフィーは頭を抱え、苦悶しながら声を絞り出す。
全部自分のせいだと。ネイピアに何をしても何の解決にもならなかったと。
修道女は再度、息子を引き取るか尋ねる。マーフィーはブギーマンの首にかけられている鍵を手にする。
気が付くとチャーリーの遺体が見つかった湖にいるマーフィー。チャーリーの助けを求める声を追うと、ブギーマンと交戦することとなる。ブギーマンから奪ったハンマーでトドメを刺すと、再び遺体安置所へ戻って来た。
チャーリーが現れ、パパのせいじゃないよと言って消えた。
ボートの鍵を手に入れたマーフィーは桟橋からボートに乗り込む。ボートを走らせると、背後からアンに銃を突きつけられる。街へ戻れと言うアンに、マーフィーはもうここで撃ち殺せと言う。わかったと言うアン。直後、銃声が響く。
過去を回想するマーフィー。
独房の前にスーエルが現れ、マーフィーにここを出る前にネイピアの時と同じ、怪物退治をして借りを返せと言う。マーフィーがその相手は死んだ方がいい人間なのかを聞くと、スーエルは死んだ方がいい人物だと答える。マーフィーは対峙する相手が誰なのかわからないまま、承諾する。
目を覚ましたマーフィーは異界化した刑務所の独房の中にいる。独房のすぐ側から、車椅子の怪物がこちらを見ている。するとマーフィーは複雑な気持が沸き、頭を抱える。車椅子の怪物が去っていくと独房の扉が開いた。
ここは行方不明の囚人が続出するオーバールック刑務所。出口を探して彷徨うマーフィーは、妻キャロルから自分に宛てられた手紙を見つける。あなたは私の全てを奪った。あの子はもう二度と帰ってこない。二度と会いたくない。と書かれていた。
それから、フランクがマーフィーを出所させるために尽力していたことを知る。フランクはいつも味方だった。フランクの調書には、スーエルが受刑者へ暴力をふるっていたことや麻薬取引、人権の無視といった問題行動が書かれていた。
刑務所の最奥に辿り着いたマーフィーは、巨大な車椅子の怪物と交戦することとなる。車椅子の怪物を撃破すると、マーフィーはシャワー室に立っていた。すぐそばには縮んだ車椅子の怪物と、マーフィーに銃を向けるアン。マーフィーを罵倒するアンに、こいつは怪物だと言うマーフィー。しかし、そこには血だらけになったフランクの遺体が倒れているのだった。
スーエルが言った「怪物退治」、その対象はフランクだったのだ。
立ち尽くすマーフィー。そこにスーエルが現れ「殺せ」と言う。フランクは「やめろ」ろ言う。
アンはフランクの娘だった。暴行を受け、植物状態となった父を何年も看護してきた。自ら動くことも、会話すらもできないまま父は死んでしまった。父をこんな体にした事件を調査したアンは、やがてマーフィーに辿り着いたのだった。マーフィーを自分の刑務所へ移送させるためになんでもしたと言うアン。説得しようとするマーフィーだが、アンにはマーフィーがブギーマンに見えている。
そして、ブギーマンとなったマーフィーと、アンの最期の闘いが始まる。
A「許し」
序盤の選択肢でアンとセイターを救おうとし、最後にアンを殺さない。
フランクとスーエルに挟まれたマーフィーは、「できない」とナイフを捨てる。するとスーエルがフランクを殴り、続けてマーフィーを殴る。息子を殺した相手に復讐するチャンスを与えてやったのに殺せないんだからなと、スーエルは言う。
マーフィーはチャーリーを殺した連続児童殺人犯であるネイピアに復讐するためだけに、パトカーを盗み、10時間も逃亡を続けた。
そして刑務所に入ったマーフィーはスーエルの口車に乗り、ネイピアと対峙するが殺すことはできず、ネイピアはスーエルにトドメを刺されていたのだった。
事態を把握したフランクはマーフィーを逃がそうとするが、スーエルにナイフを突き刺されてしまう。スーエルは警備の人間を呼び、全ての罪をマーフィーに被せたのである。
フランクは自分が殺したようなものだと謝罪するマーフィーを、アンが抱きしめる。
現実へ帰って来た2人は湖にいる。アンの無線機に捜索隊からの通信が入る。移送中の囚人、マーフィー・ペンドルトンだけが見つからないとの報告に、マーフィーは死んだとアンが答える。
面倒なことにならないかと言うマーフィーに、もう行ったほうがいいと返すアン。
マーフィーはその場を去り、アンは湖を見つめている。
B「真実と正義」
序盤の選択肢でアンとセイターを見捨てて、最後にアンを殺さない。
謝罪するマーフィーを抱きしめるところまでは「A」と同じ。
去ろうとするマーフィーに、あてがあるのかを尋ねるアン。行きたい場所があると答え、マーフィーは去っていく。その行先は、おそらく崖である。
ライアル刑務所のスーエルを尋ねるアン。アンは話があると言い、後ろ手に銃を構える。スーエルはアンに制裁された。
C「ループ」
序盤の選択肢でアンとセイターを救おうとし、最後にアンを殺す。
フランクとスーエルに挟まれるマーフィーだが、マーフィーはスーエルの要求を拒むことができず、フランクを殺してしまった。
フランクの遺体の側には、今マーフィーが殺したアンの遺体もある。自身の罪を受け入れることができずに錯乱したマーフィーは、こめかみに銃を当て発砲。
その直後、オーバールック刑務所の独房で目を覚ましたマーフィー。独房のすぐ側から、車椅子の怪物がこちらを見ている。
ハワード、ボビー、フランクの声が聞こえてくる。
自身の罪を認めなかったマーフィーは、永遠に繰り返されるループの中に囚われてしまったのだった。
D「執行」
序盤の選択肢でアンとセイターを見捨てて、最後にアンを殺す。
世間を騒がせた連続児童殺害事件を起こし、自身の息子チャーリーを溺死させ、刑務所ではフランクを殺害。
この日、マーフィー・ペンドルトンの死刑が執行されようとしている。マーフィーはスーエルに「地獄で待っている」と告げる。
E「ドッキリ!」
2週目以降に攻略可能になる「過去の究明」をクリアし、本編をクリアする。
刑務所からスプーンで穴を掘り続け、脱出したマーフィーを待っていたのはケーキを囲んだサイレントヒル歴代の登場人物。
やがて現れた三角頭によって、ケーキが机ごと両断されるのだった。
F
最後にアンに倒される。
独房の中で目を覚ましたアン。なぜか囚人服を着ているアンは、外から呼びかける声に答える。そこには看守の姿をしたマーフィーが立っている。
2人の運命は逆転した立場した状態で物語が始まるのだった。
キャラクター
マーフィー・ペンドルトン
世間を震撼させた連続児童殺人事件により、数年前に息子チャーリーを亡くしている。
犯人ネイピアはすでに終身刑を言い渡され、刑務所の中。無念を晴らすため、罪を犯して自らも刑務所に入る。スーエルの手引きによりネイピアへの復讐を果たす。
しかしスーエルの口車に乗ってしまったことで、刑務所の中でただ一人、マーフィーを人間扱いしてくれた心優しい看守、フランクと対峙させられることになる。
ゲーム中の選択肢によって性格や結末が変化するため、場合によっては連続児童殺人事件を犯したのもチャーリーを殺したのもフランクを殺したのもマーフィーになる。
チャーリー・ペンドルトン
数年前、7歳の時に殺されてしまったマーフィーの息子。
ゲーム中の選択により、ネイピアに殺されたかマーフィーに殺されたかのどちらかになる。
アン・マリー・カンニガム
ウェイサイド刑務所の看守。フランクの娘であり、父を不自由な体にした事件を独自に調査。マーフィーが関与していることに辿り着いたアンは、マーフィーを自身が勤めるウェイサイド刑務所へ移送するために手を回した。
フランク・コールリッジ
ライアル刑務所に勤める看守。ゲーム中に聴こえる声の正体であり、時々鏡の中に姿を現してはマーフィーに助言をくれる。受刑者にも敬意を持って接する人道的で良識な倫理観を持つ、心優しい人物。
スーエルの企てによって重症を負い、車椅子生活を余儀なくされる。動くことも話すこともできず、糞尿を垂れ流す状態となる。娘、アンの介護の末に亡くなってしまった。
ジョージ・スーエル
ライアル刑務所に勤める看守。目的のためには手段を択ばない、職権を乱用する危険な人物。
ネイピアに強い恨みを持つマーフィーに復讐のチャンスを与え、その見返りに自分の悪事を密告しようとしていたフランクを殺させようとする。
パトリック・ネイピア
ライアル刑務所の囚人。逮捕前はペンドルトン宅の隣に住んでいた。
8歳の少年を誘拐、性的暴行及び殺人で逮捕され、終身刑を言い渡されていた。連続児童殺人事件の犯人である。
シャワー室に待ち伏せていたマーフィーに重傷を負わされる。ゲーム中の選択によってはただ濡れ衣を着せられた哀れな人物にもなる。しかし、いずれもスーエルかマーフィーに殺されることとなる。
ハワード・ブラックウッド
サイレントヒルの「表世界」に囚われている郵便配達員。
マーフィーの行く先々で助言をくれるハワードは、100年以上も前からサイレントヒルを彷徨い、人々に助言を与えている。
ボビー・リックス
サイレントヒル、ラジオ局のDJ。
ボビーのラジオを聞いて尋ねてきたマーフィーと、ボートからの脱出を試みる。しかしクリーチャーの襲撃を受け、行方不明となる。
J(ジョン)P・セイター
デビルズピットの列車の運転手をしていたが、飲酒運転により列車に乗せていた子ども達を死亡させる事故を起こす。自らの罪を認めようとしない。