ゴールデンカムイ/話題の超傑作。開拓の村にも行く:ネタバレなし感想

漫画

漫画が面白かったのでアニメも少しだけ観たのですが、クマだけがぬるぬる動いてて違和感。観るのやめてしまった。

ざくっとあらすじ

【日露戦争終結後、1907年の冬。「不死身の杉本」と呼ばれた元陸軍兵:杉本佐一(スギモト サイチ)は、戦友であった寅次の妻であり自身の幼馴染である梅子の眼を治療するために必要な大金を得るため、砂金採りをしていた。

そこで出会った男からアイヌが秘蔵していたという金塊の話を聞く。手がかりは網走監獄を脱獄した24人の囚人に掘られた刺青だという。

金塊を狙うことにした杉本だが、話を聞いた直後冬眠明けのヒグマに襲われる。杉本の窮地を救ったアイヌの少女:アシㇼパ

アシㇼパの父:ウイルクはアイヌの金塊騒動の中、命を落としたという。

梅子の治療費が欲しい杉本と、父の仇を討ちたいアシㇼパ。2人は手を組み金塊を見つけ出すことにする。】

連載時期・放送期間

作者:野田サトル
2014年8月21日~2022年4月28日、週刊ヤングジャンプにて連載。全31巻。

個人的感想

傑作

シリアス、コメディ、食レポ、バトル、サバイバルとあらゆるジャンルがミックスされた傑作です。食レポ時の杉本の顔がたまりません。

あらゆる場面にあらゆるオマージュが盛り込まれている模様。私が気付けたのはたったの2つです。
その数あるオマージュの中にも伏線が仕掛けられていたんだという記事をネットで見てきました。作者、天才。

命が軽い

軽くて軽くて…なのに笑わせてくる。特にゲイカップルの話なんかはだいぶ軽く扱われてる感が否めませんでしたけど、笑わせてくる。

内臓がこぼれ落ちてるんだからシリアスな雰囲気になるところだろうに、シュールなギャグセンスが秀逸すぎて笑っちゃうでしょこんなの。

愛着が沸いてくる

刺青を掘られ、網走監獄を脱獄した囚人達。囚人ですのでダメなことをしてぶち込まれたわけですが、愛着が沸いてくる不思議。最後まで気持ち悪いのもちゃんといましたけどね。青年誌なので描写がなかなかに生々しくて余計にキモいわけです。

最初はただただ気持ち悪かった”不敗の牛山”ですが、アシㇼパが”ち○ぽ先生”と慕うようになったあたりから段々かっこよくなってきました。ただのちん○じゃないんです。

かっこいいエピソードとは違うのですが、牛山が毒でラリッて訳がわからなくなり「○べんちょ」と名乗り、桃を食べるためにトリプルアクセルかなんかをキメながら極寒の海へ飛び込んでいくのが面白すぎた。

「○べんちょ」がなんだかわからなかったのでネットで調べてきましたら、連呼しちゃいけないような単語だったので伏字にします。

この○べんちょこと牛山。最初の印象がキモすぎるが限界突破だったのに、ここまで好転するとは思いませんでした。かっこよくもあり可愛くもあるキャラクターです。

その他のキャラクターの魅力

個人的に推しは杉本もしくは土方なのですが、ほとんど好きです。全員クセが強く変態ばっかりですが、大変に魅力的なキャラクターが多いです。アシㇼパもね、ブサイクな顔もできる素晴らしい美少女です。

唯一まともなキャラクターかと思っていた谷垣ですら、”むっわぁぁ”っていう新しい(?)効果音を披露したり”ブヒィッ”て泣き出してみたりします。

まともなキャラクターはいません。

心理描写も丁寧

金塊を追う勢力が2~3あって、同じ勢力内にいてもメンバーが抜けたり入ったりはざら。それぞれの思惑や信用や疑いや色んな心理が交錯していてとても複雑で、この人裏切るんじゃなかろうかと疑心暗鬼に陥ります。

そんな個々の描写も秀逸ですので、それぞれの行動に納得できたりできなかったり。

鶴見中尉がものすごく絶妙。深掘りされればされるほど、悪い人ではないんだろうけど悪い人に見えてくる。
鶴見信者の鯉登少佐の言動も細かく、とにかくどれも丁寧に描かれている。鯉登少佐の眉毛が気になってしょうがないです。

はんぺんの謎

どこかしらに傷があるキャラクターは回想とかで傷を負う経緯を知れたのですが…戦争で削れたんだと思い込んでいた月島軍曹の鼻は、ただ単に低いだけだったのはちょっと衝撃でした。

最後までわからなかったのは牛山のはんぺんです。

キャラクターのモデル

「不死身の杉本」のモデルになったのは「不死身の分隊長:船坂弘」じゃないかと言われています。
軍医が諦めるほどの致命傷を負っても翌日には歩き出し、首を撃たれて戦死と判断され死体安置所に置かれても復活。人間を超越した人間、まさに不死身。

その他、白石や牛山、鶴見中尉などたくさんのキャラクターのモデルになった方々。検索すると面白いです。

人の生命力

分隊長:船坂氏の生命力は格別かもしれませんが、脳の一部を欠損しても生きている鶴見中尉、頭をかち割られても刀を振るったあの人や…人間は案外簡単には死なないということを教えてくれました。

作中でほとんど全員死ぬほど痛そうな怪我をしながら戦っています。笑わせてくる漫画ですが、その辺はシビアでリアリティがあるというか、ファンタジーなバトルよりも生々しいので読んでて一緒に痛くなる。

開拓の村

漫画を読破してから「開拓の村」に行きました。

モデルになった建造物がたくさんあります。世界ホテルや床屋、にしんそばを食べていたそば屋、民家などなど。

読破後、ちょっと間があいてしまったために人に言われてやっと「あぁ!」ってなるくらいにうろ覚えでした。

村の入り口にゴールデンカムイのちょっとしたコーナーがあり、何巻にこの建造物出てきたよっていう掲示板とマップがありました。…それに気付いたのが一通り回ってきた帰り際っていう面白さです。

いいんです。いももちとアイスが美味しかったし馬車にも乗れたから。たけうまでも遊んで5歩だけ歩けるようになったしコマも回せるようになったので、大満足です。

〆る

北海道民なので作中で知ってる地名とか出てくるとなんとなくワクゥっとして、月寒あんぱんも食べたくなる漫画。あんこぎっしりでおいしいです。

堪能できる要素が盛りだくさんの漫画。

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