ありそうでなかったような予想外の展開をする少女漫画。こめかみと心臓が痛くなりました。
いいですよね少女漫画。「きゃ~学校1のイケメン、○年○組の○○□君よ~」みたいなお決まり文句がありますが、どういう基準でそうなってんのかわからないくらいイケメンしかいないよね。
ざくっとあらすじ
【髪の毛がボサボサだろうと陰口を叩かれようとお構いなし。もちろん恋愛にも興味はなく、家に帰れば引きこもってDVD三昧のおひとり様生活を満喫する”あめり”。
しかしハイスペックな幼馴染:帝斗(テイト)から衝撃の告白を聞き、あめりは思い切った行動に出る。】
連載時期
作者:佐藤ざくり
2016年~2019年、マーガレットにて連載。全12巻。
個人的感想
序盤はハマれない
「漫画mee」で読み始めたのですが、同じアプリ内で「マイルノビッチ」も読んだのですが、早々に飽きてしまいました。
この作品も読み始めたはいいが、序盤であまりハマれなさそうな気がしてきたのです。もう最終話だけ読めばいいかな症候群が始まり、ポイントを使って最終話だけ読みました。そしたら何がどうやってそうなったのか全くわからない結末が描かれているわけです。
これは最初から最後までちゃんと読まなきゃいけないやつだと気付きました。コメント欄でも「中盤からめっちゃ面白くなるから頑張って」と、親切に教えてくれている方もいました。
毎日1話ずつ読み続けてきたのですが、もどかしいので全巻レンタルしてきました。
壮大なラブストーリー
帝斗おぉぉ…ってなりました。
うっかり最終話を先に見てしまっていましたが、ちゃんと全部読んでよかったです。むしろ余韻がすごいので全巻買いして、忘れた頃にまた読みたいです。
読み始めた時は、地味で引きこもりな捻くれた女の子が運命の君と結ばれて元々持っている別にブスでもないその容姿を飾り付けて可愛くなって時々当て馬とか登場しちゃってちょっとした波乱とかありつつもめでたしめでたしってなるんでしょ、知ってる。とか思っていました。
それが読めば読むほどとんでもない感情移入をさせてきて、こめかみが痛いし心臓も痛い。
縁結びのお守りのくだりは本気で泣けました。あめりの魅力がなんなのかは最後まで理解できませんでしたが、感情への共感はすごくできました。
キャラクター
メガネを取ると突然あり得ないほど可愛くなる漫画メガネマジックでしたが、のりちゃんが好きです。序盤のあのスタイルとメガネの構造とか、何がどのようになったらそうなるのかは最大のミステリーです。とんでもないビン底メガネなのでしょうか。
なかなかズバズバいうキャラで、サッパリしているとても気持ちのいいキャラクターです。
メインのあめりも気にはなりますが、のりちゃんサイドの話も気になります。
広樹なの、辻大貴なの、どっちなの。
だってどうしても好きだから的な感じで結局そっちに突っ走っていっちゃうのかと思いきや。思いきやでした。
安定を選択してくれて、スカッとしました。
バランス
あめりが安定している時はのりちゃんが荒れていて、のりちゃんが安定している時はあめりが荒れている。もなかはずっと安定しているマスコットキャラクターかと思いきや、突然嵐がきたりもしていました。
絶妙なバランスで展開していく話に、あめりは!のりちゃんは!ってずっと気になる。
要所要所にギャグもぶち込んではくるのですが、すごくリアルでありそうな展開が繰り広げられます。
〆る
意外な展開を見せていくこの作品ですが、これに限らず佐藤先生の作品はどれも最終的にどう転ぶかがわからない作風が多いようです。
賛否両論ありますが、個人的には好きな作品でした。