私が初めて触れた高橋留美子作品はこの漫画でした。この作品はいくつかゲーム化なんかもしていますが、プレイした覚えがあるのはスーファミの格ゲーです。動きがやたらもっさりしたウッちゃんの使いにくいことこの上なかった記憶しかありません。
ざくっとあらすじ
【無差別格闘流の修行に励む高校生、早乙女乱馬(サオトメ ランマ)。
父である早乙女玄馬(サオトメ ゲンマ)と共に中国にある修行場「呪泉郷」での稽古中、玄馬は熊猫溺泉(パンダが溺れた泉)に、らんまは娘溺泉(若い娘が溺れた泉)に落下。それぞれ水をかぶるとパンダと女の子になり、お湯をかぶると元に戻るという体質に変化してしまった。
修行を終えて日本に帰国するが、らんまは玄馬から玄馬の友人である天道早雲(テンドウ ソウウン)の娘の許嫁であると聞かされ、天道家に連れて行かれる。】
連載時期
1987年~1996年、週刊少年サンデーにて連載。全38巻。
個人的感想
クセが強い
格闘ラブコメであるこの作品。始終テンション高めで展開していきます。何年も前に読んだ漫画なので忘れている部分も多いですが、所々覚えているし最終話も覚えているし何かとインパクトが強い作品ですね。
キャラクターのクセの強さも作風に合っています。個人的には特に九能(クノウ)兄妹がずば抜けていると思います。
ほぼ全員が武闘家です。武闘家じゃないキャラクターでもみんなどこかしらが尋常じゃないので、多分戦えます。
例えば与太郎(ヨタロウ)。パンダ(玄馬)を溺愛するひ弱で普段は寝たきりのお金持ちのお坊ちゃんなのですが、パンダ(玄馬)を愛しすぎて逃げるパンダ(玄馬)を追いかけ、数十キロ先の天道家まで走ってくるという。それも無表情で。だいぶシュールでした。ひ弱と言う割にはスタミナがとんでもないのです。
なんでもあり
コメディ要素もたっぷりなので、ド派手にギャグを飛ばしながら展開されることが多いです。面白いです。
天道家なんかは数えきれないほど破壊されますし、蹴り飛ばされればどこまでも飛んでいくし。
武器もそれぞれ職に沿ったものになっており、お好み焼きのヘラとかバリカン、新体操のリボン。実の兄すらも武器になります。…バリカンは、職業上のものではないかもしれない。
舞台も様々です。ディナーですら格闘が繰り広げられます。
呪泉郷
様々な泉があり、キャラクターの何人かが呪泉郷に落ちています。
猫、アヒル、子豚とか色々です。不便そうではありますが、呪泉郷に落ちてみたい。
終盤で「茜溺泉」が作りだされるのですが、「娘溺泉」とどう原理が違うのでしょう!気になります。
キャラクターの魅力
登場キャラクターが多いですが、みんなクセと個性が溢れすぎているので飽きることなく読めます。それでいてみんなキャラがブレないのがいいところです。
個人的には玄馬とのどか(らんまの母)が好きです。玄馬はかなりチャランポランなので、現実なら夫にしてはいけないタイプだと思われます。
玄馬はらんまを「男の中の男に育てる」と、のどかに誓いました。らんまの意思を無視して「男らしく育てられなかったら父子で切腹」という約束を交わし、契約書を残すのです。それをあろうことか呪泉郷でらんまを半分女にしてしまったわけです。
そして天道家に逃げ込むのですが、天道家にのどかが訪ねてくるエピソードがあります。切腹に怯える父子がもう、玄馬にパンダがハマりすぎていてズルいです。
〆る
格闘シーンが豊富でバラエティに富んだ展開。テンポも良くて勢いも良くてギャグのセンスも抜群です。キャラクターの表情とセリフのバランスが絶妙なので、じわじわきたりします。
めちゃくちゃでありながらも後半はシリアスな展開が増えます。内容はわかりやすいのでサラッと読める漫画です。